(尋常性白斑)は、皮膚に色素の一部が脱色された部分が見られる(後天性、生まれつきでない)難治性皮膚病です。白斑部には、メラニン細胞はありません。医学的には、白斑を「尋常性白斑」と呼びます。俗に「白なまず」と言われます。
身体の両側に対称性に白斑が認められることが多く、白斑全体の約70%を占める「汎発型」と、ある神経の通り道に沿って白斑が認められ、白斑全体の約30%を占める「分節型」の、2種類に分類されます。発症のきっかけは、日焼けや、外傷(ケガ)などによる皮膚への刺激やストレスが誘因(引き金)になり、それが原因で、メラニン色素を作る細胞を攻撃する自己免疫疾患や、最近では酸化的ストレス、遺伝的要因もあるとも言われていますが、確実な原因はありません。
(尋常性)白斑には医学的根拠(エビデンス)に基づく皮膚科光線療法が有効で、当クリニックでは、難治性白斑に、現在一番有効で安全とされているエキシマライトを使ったターゲット光療法(メル療法)を行っています。この療法は特に難治性の手足の白斑にも他の療法に比べて有効性が高いことを報告いたしました。他の皮膚科光線療法で治らない白斑に、また他の療法で少し治ってもそれ以上有効性が得られない白斑や発症してから経過の長い白斑にも良好な結果を得て、学会報告、論文で出しました。
さらにクリニック独特の各々の白斑の症例にドーム光療法を行い、最少紅斑量に基づいたメル、ナローバンドあるいは両者を組み合わせることにより治療マニフェスト(3ヶ月で白斑の患者さんに80%色素再生を起すを出し)、そのとおりに良い結果を得ています。
以下に尋常性白斑の患者さんに対してメル療法およびナローバンドUVB療法によって有効であった患者さんの一部を紹介します。
■14歳 女性 ○メル療法
|
|
 |
|
| 治療前 |
|
光線治療後(治療途中) |
■58歳 男性 ○メル療法
|
|
 |
|
| 治療前 |
|
光線治療後(治療途中) |
■72歳 男性 ○メル療法
|
|
 |
|
| 治療前 |
|
光線治療後(治療途中) |
■14歳 女性 (汎発型尋常性白斑) ○ナローバンドUVB療法
|
|
 |
|
 |
|
| 治療前 |
|
光線治療開始約8ヶ月後 |
|
光線治療開始約1年3ヶ月後 |
■79歳 男性 (汎発型尋常性白斑) ○ナローバンドUVB療法
|
|
 |
|
| 治療前 |
|
光線治療後(治療途中) |
|
上記の症例は皮膚科光線療法(メル療法・ナロー療法)によって白斑に著明な色素再生が認められています。
白斑の治療を行っているうちに色々の疑問が生じました。詳しくは、本「白斑はここまで治るU」に書いてありますが、その一部を書いてみます。
なぜ白斑に光線療法が効くのか?(疑問1)については、シェーマで示します。
 |
|
図の説明:メラニン細胞がキズつくと、その傷ついたメラニン細胞を異物と見なし、白斑の人の免疫細胞が異物を殺しに来て、傷ついたメラニン細胞まで殺し、さらに周辺の正常なメラニン細胞まで、殺してしまうのです。だから白斑部にはメラニン細胞がいないと考えられています。それではどうして色がつく(色素再生が起る)のでしょうか?その白斑部、または周囲の正常皮膚の毛包(外毛根しょう)の隆起部(バルジ)にメラニン細胞の前段階の細胞、つまりメラニン芽細胞が存在し、ここからメラニン細胞が作られることが分かってきました。UVBを照射するとメラニン芽細胞が働き出し、メラニン細胞となり増殖し、白斑部基底層まで遊走します。またUVBを照射すると、表皮角化細胞がサイトカインを出して、それがバルジまで達して、同様にメラニン細胞増殖・遊走を起こします。さらにUVB照射すると、今までメラニン細胞を壊していた免疫細胞(CD8陽性細胞)に働いて、メラニン細胞を壊すのを妨げます(免疫抑制作用)。これらの3つの作用は同時に起るのです。だからある程度、色素再生(白斑部に色が出る)が起ると同時に進行が止まる(メラニン細胞を壊すのを止める)のも理にかなっていると言えます。 |
| |
|
|
|
|